お手入れ方法

 皮革 木材 藤・竹 ガラス 金属 プラスチック  ビニール 

主として、細い糸の織物から成り立っている布地。織物には、色、柄、風合いなどの自由で豊富な種類があり、他にはない多くの特性があります。繊維の種類で、一般的に家具用張地として多く使用されるのは、大きく分けて天然繊維(毛、綿、絹、麻 )と化学繊維(レーヨン、ナイロン、アクリル、ポリエステル)の2つです。糸の太さ、織り柄、色染めの違いにより無限に近いバリエーションができるのが、布の最大 のメリットです。

<手入れ方法>
布地はいったん汚れがつくと、落とすのが厄介。できればカバーを掛ける、クッションの上張地のスペアーを持っておくなど、普段から汚れを付着させないよう注意することが大切です。ブラシを時々かけるなど、日頃の手入れも心掛けてください。汚れたら服地と同じように処置することは可能ですが、布地の種類によっては、ベンジンなどを使用してかえって汚れをひどくする場合があるので、布地の種類と汚れの性質をよく見極めることが必要です。

皮革

風合いが自然でソフトな感触を持ち、適度な伸縮性と吸湿性などがあり、体によくなじむ皮革。上張地の中でなんといっても最高級といえるのがこの素材です。本皮には牛、豚、やぎ、鹿など多くの動物皮革がありますが、家具にはほとんど牛皮が使用されています。合成皮革は、皮革にくらべ感触や風合いで劣りますが、廉価で、通常の汚れに強いことと、大量生産が可能な点で数多く使用されています。

<手入れ方法>
皮革は汚れても、年月を経るに従い独特の味わいが出るもの。けれど、やはり行き届いた手入れはしたいものです。通常は柔らかいウールの布で乾拭きするだけでOK。年に2回くらいは皮革専用クリーナーで手入れをします。合成皮革は一般的に水拭きだけで大丈夫ですが、年数回は中性洗剤を溶かしたぬるま湯に浸した布で汚れを除ります。靴用クリーム、塩素系の洗剤、艶だしクリーナー、シンナー、ベンジンは変色・変質の原因となるので使用は避けます

木材


建築、インテリア、家具、すべてにおいて最も身近な基本素材である木材。木そのものの種類別の特性、そしてカットの仕方、加工の仕方によって、その使い道は多様に広がります。切り出した木そのままの風合いを生かして使うのはもちろん、小角材を接着した集成材、木材を薄く剥いだ板を接着した合板などの加工木材も家具だけでなく柱や床材、壁材などに多く使われています。またここ1、2年の傾向として、北欧材のホワイトウッドがよく使われるようになってきました。白っぽい色で、無化粧のままでも日本人好みの白木のように見える点も人気のようです。

<手入れ方法>
塗装仕上げがされているので、普段は乾拭きOK。特に手あかなどが目立つ場合は、薄めの中性洗剤に浸した布で拭いた後、洗剤を除去するため、ぬるま湯に浸した布を絞って拭き取り、水分がなくなった頃合いをみて、乾拭きします。家具用ワックスも効果がありますが、艶消し塗装されたものへの使用は避けます。

籐・竹


涼しげな表情、しなやかな素材感が人気の藤・竹。艶があって、軽くて丈夫な藤(ラタン)は、熱帯アジアに多く自生するヤシ科のツル性木。柔軟な茎を利用して家具や工芸品が作られるほか、床材や敷物などにも使われています。竹は、イネ科の多年生植物。藤と同様、さらりとした感触のよさがあります。日本で使われる竹にはモウソウ竹、真竹が多く、昔から建築資材や生活用品の材料になっていました。また床材にも使われ、多くの日本人の日常生活に深く関わり、親しまれてきました。

<手入れ方法>
藤も竹も、天然素材の性質上、温度の変化によって伸縮が生じます。日常のメンテナンスは、布で乾拭きするほか、乾燥による我を防ぐため、ときどき固く絞った濡れ雑巾で拭きます。特に汚れが目立つ場合は、中性洗剤を用いて水洗いし、日なたで十分に乾燥させます。湿気の多い場所で使用する際は、カビの発生を予防する意味で、日頃からよく換気を行うことが必要です。

ガラス


建築に使われるガラスの比率は多くなり、内装的な部分から建築構造材としても、幅広く使われるようになりました。ガラスの加工は、表面に腐食や研摩による柄模様を付ける場合、周囲のカット加工により立体的な表情を付ける場合、熱処理により強化する場合があります。家具でもガラス単体で使われることが増え、インテリアの重要な素材になってきています。ガラスの透明性を利用するだけでなく、ぼかしやくもり、カラー化したものまで登場し、多様化してきています。

<手入れ方法>
まめに乾拭きするのが最良の手入れ方法。ちょっとした汚れは、ぬるま湯でかたく絞った柔らかい布で拭き取ります。さらに汚れが強い場合はガラス専用のクリーナーや中性洗剤を使います。この場合も最後に乾拭きして、水分や洗剤を取り除くことを忘れずに。鏡の場合、汚れや水分が残ると裏の銀鏡面に、はけを生じる場合もあるので注意が必要です。

金属


構造材として、木材にはない強度を持っている金属。家具には、スチール、ステンレス、アルミニューム、真ちゅうなどが多く使われます。熱によって形を自在に変えられる金属は木材と違い、断絶、曲げ、溶接などの機械加工スピードが早いのが利点です。 仕上げに関しても、表面処理の技術が進み、多様化してきました。メッキする場合は、クロム、亜鉛、銅、ニッケルなどの表面処理が可能です。ツヤのあるものは『ミラー』『ブライト』と呼び、ツヤ消しの場合は、『ダル』『サテン』と呼ばれています。

<手入れ方法>
金属類の扱いで、最も気をつけなければいけないのが、サビ。メッキ仕上げであっても、手あかがサビの原因となるので注意が必要です。普段は柔らかな布で乾拭きし、年に数回は金属磨きや専用クリーナーで念入りな手入れを行うのがベター。なお、この場合にも最後に必ず乾拭きすることを忘れずに。クレンザーの使用は表面にキズをつけることになるので、避けて下さい。

プラスチック


プラスチックは人工的に作られる「型」によって、自由に成型することができる素材です。その性質は塩化ビニール、アクリル、ABS などの熱可塑性と、ポリウレタン、ポリエステル、メラミンなどの熱硬化性に分けられます。 柔らかい熱可塑性のものは、2次加工として成型されることが多く、熱硬化性のものは、強度があり構造用に使われたり、堅さのある表面材として使われます。

<手入れ方法>
水分汚れが即しみ込んでしまうということがないプラスチックの手入れは、比較的簡単です。通常は汚れた部分を水拭きするだけで取り除けます。油性の汚れは、中性洗剤、せっけんを溶かしたぬるま湯に浸した布で拭き取り、最後に乾拭きします。また、プラスチック床材は、日頃の清掃をまめに行うほかに、汚れ防止・床材表面の保護、美観度アップのためにワックスがけ作業を定期的に行うことが、きれいに長持ちさせるコツです。


重く、硬く、もろい性質がある石材。最近はその材資をよく考慮した設計がされ、 テーブルの材料として石材の利用が増えています。石材は天然の資材でなので、木材 と同様、産地、種類によって色や柄が異なります。大理石(マーブル)は、南ヨーロ ッパのものが良質とされ、多く輸入されています。御影石(グラナイト)は、国内お よび北ヨーロッパのものが多く使われています。人造石(テラソー)は自由な表情を つけられるので、ガラス片などを埋め込んだカラフルなものも作られています。

<手入れ方法>
石のお手入れは傷がつかないようにするのがポイント。大理石やみかげ石など、石素 材を使った家具はぬるま湯か薄めた中性洗剤を固くしぼった布で軽く拭いてくださ い。 研摩剤入りのものは傷がつくので絶対に使わないように注意が必要。

ビニール


主にソファやイスの貼り地にビニールレザーとして使われるケースが多いです。ビニール素材は何百通りという色を出すことができるため、カラフルな家具に使われています。また生産のコストが低いのと、お手入れも簡単なのが特徴です。素材感も独特で、最近ではお部屋をポップなテイストで統一したい人がビニール素材の家具を揃えていくことも多いです。

<手入れ方法>
ビニールは、洗剤や水が使えますからおそうじしやすい素材です。お手入れは簡単で、まずハンディモップなどで壁の上から下へ、まんべんなくホコリをとります。次に中性洗剤など住まい用の洗剤をぞうきんをにつけ、ゆるめに絞ります。素材をまんべんなく均一に拭き、最後に乾いた雑巾でふき取ればオーケー。


布地同様、無限のバリエーションを楽しめる紙。家具としては、昔から襖紙に多く 利用され、生活空間を彩る細やかな技法が生かされてきました。和紙は風合いを生か しながら、様々な色に染められ、模様や文様を付けたり、金銀の加飾も行われます。 また、染め紙は『ぼかし染め』や『水揉み』、竹篭、縄などの素材を自然の色で移し 取った『印刷染め』などの技法で作られ、それぞれ味わいのある表情を生み出すこと が出来ます。

<手入れ方法>
紙の素材は破れないように注意が必要。ハタキをかけたり、やわらかいハケやブラシ でホコリを落とし、最後にやわらい布で軽く拭き落とします。 また、洗剤や薬品のついた化学ぞうきんを使用するとかえって汚くなることがある のでご注意ください。